春の夕焼け 従兄弟の子（修平くん）が小学校へ入学するという。 夕方、中学１年生の娘と一緒に車でお祝いを届けに行った。 やんちゃ坊主の修平が、恥ずかしそうにお祝いを受け取る姿がかわいいと娘が喜び、修平くんの入学する小学校が見てみたいと言う。 遊佐町立吹浦小学校は、鳥海山が日本海に没する手前の小高い丘にたっている。 私の母親の母校でもある。 学校を周りから眺め終わり、すぐ近くの丘に立ったとき、娘も私も絶句した。 春の夕焼けだ。 おぼろげな春の空気に紅色が滲み、かすかな水平線の遙か向こう側から潮風が静かに渡ってきた。 「きれいだねー」と娘。 「きれいだなー」と私。 二人ともそれ以外くちに出せずに、だまって桜色の海原と空を見つめていた。 まるで、子供たちの新たな旅立ちを、空と海が桜色に染め代えてお祝いしてくれているような、とても感動的な終日であった。
	Nikon F80D 　AF Nikkor 24-85�o 遊佐町吹浦　2001.4