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水温む
雪解け水で勢いがあった川の水も、
桜が咲く頃になると落ち着きを取り戻し、
温んでくる。
本格的な春の到来だ。
この頃の小川の音ほど心和む音はない。
雲雀がさえずり、萌えだした草木の芽を
やさしくなでるように吹く春の風。
「春の小川はサラサラゆくよ・・・」
と言う小学生唱歌がある。
小川の水が、すみれやレンゲにサラサラと春を告げ、やさしく美しく咲いてほしいとささやきながら流れていく、と言う詩である。
名詩である。
最近あまり聞かなくなったのは、春の小川と呼べる川が少なくなったせいであろうか。
春の小川を昔話にはしたくない。
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